No.181 フィットネスクラブの料金は本当に安いのか？

フィットネスクラブの料金は月1万円前後が相場。24時間ジムなら7,000円ほど、さらに“コンビニジム”と呼ばれる格安ジムでは3,000円程度から利用できます。こうして見比べれば、確かに「安い」と感じる人が多いでしょう。

しかし、この“安さ”の裏側には、あまり知られていないカラクリがあります。

多くの人は入会した当初こそ意気込んで通いますが、次第に足が遠のいてしまいます。毎日のように利用しているのは、運動が大好きなごく一部の人たちだけ。実際には「お金を払っているのに行かない」という会員が大半を占めています。

そして、この“通わない人”こそが経営を支えているのです。
もし会員全員が本気で毎日通ったら、施設はすぐに定員オーバー。プールもマシンもロッカーも足りず、経営は成り立たなくなります。つまり、「通わない人が払っているお金で、通う人の施設維持費が賄われている」という歪んだ構造の上に、フィットネスクラブは成り立っているのです。

これを知ったとき、多くの人が「なるほど」と感じると同時に、少し違和感を覚えるのではないでしょうか。
表向きは「通い放題でお得」に見えても、実際には「通えない人が損をする仕組み」になっているからです。

では、私たちにとって本当に価値があるのはどちらでしょうか。
“安いけれど通えないジム”なのか、それとも“高く見えても確実に続けられる仕組みがある場”なのか。選ぶ基準は「料金」そのものではなく、払ったお金が無駄にならないかどうかではないでしょうか。

たとえば、最近は「少人数制」「予約制」といったスタイルをとる施設も増えてきました。毎週決まった時間に運動できる仕組みが整っていると、自然と習慣として根づきやすいからです。料金だけで見ると高めに映ることもありますが、長い目で見れば健康を維持する確率が高くなる。これこそが“コスト以上の価値”と言えるのではないでしょうか。

結局のところ、「通い放題」という言葉に飛びつくのではなく、自分がどんな仕組みなら本当に続けられるのかを考えることが大切です。

あなたは、通わないことを前提にしたジムにお金を払い続けますか？
それとも、“通える設計”のある場を選びますか？