No.240 「がん検診」は予防ではない? トレーナーが考える、本当の予防の意味

こんにちは。
北千住のセミパーソナルスタジオSALUSの光次です。

いきなりですが、皆さんの中に、がん検診を受けている、早期発見・早期治療を心がけている、という方はどれくらいいらっしゃるでしょうか。多くの方が「予防している」と思っている行動だと思います。

でも今日は、あえてこう言わせてください。それは、予防ではありません。

「検診は予防でしょ?」と思われた方も、ぜひ最後まで読んでいただければと思います。

予防とは「不可逆的な変化を起こさないこと」

多くの方は、予防とは「早く見つけること」「早く対処すること」だと思っています。でも、これは実は予防の定義ではありません。

私はトレーナーとして、予防を次のように定義したいと思っています。

予防とは、体に不可逆的な変化を、できるだけ起こさないこと。

不可逆的な変化とは、元に戻らない状態の変化のことです。これが、今日いちばんお伝えしたいキーワードです。

予防の3段階で見直してみる

この定義で、公衆衛生学などで言われる「予防の3段階」を見直してみましょう。予防には、1次予防・2次予防・3次予防があります。

1次予防:運動・生活習慣・ワクチンなど

  • 不可逆的な変化がまだ起きていない段階での介入
  • ここでうまくいけば、体に大きなダメージは残りません
  • 私たちトレーナーが日々のセッションで関わっているのは、まさにこの領域です

2次予防:検診による早期発見・早期治療

  • すでに病気が始まっている段階です。たとえば、がん細胞がすでに存在している、動脈硬化がすでに進行している、という状態
  • つまり、不可逆的な変化が、何かしら始まってしまった後です
  • それ以上進ませないための行為、ということになります

3次予防:治療・リハビリ・再発予防

  • すでに不可逆的な変化が、体に起きてしまった後の対応です

こう考えると、同じ「予防」という言葉を使っていても、本当の意味での予防は1次予防だけなのです。2次予防と3次予防は、本当は「早期の治療」にあたります。

なぜ、2次・3次予防を「予防」だと錯覚してしまうのか

それは、2次予防や3次予防がうまくいったとき、私たちは「それ以上悪くならなかった」ことに安心してしまうからです。再発しなかった、命を落とさずに済んだ。これは確かに大きな成果です。

一方、1次予防には自覚症状がありません。取り組みの成果が見えづらいのです。それに対して2次・3次予防は、痛みなどの症状を取り除けたときに、成果を実感しやすい。だから、それが予防だと思いやすくなります。

見えにくい「代償」もある

でも実は、そこには見えにくい代償が残っていることがあります。

  • 後遺症が残る
  • 後遺症とまではいかなくても、手術後に数週間ベッドの上で過ごすだけで、筋力が落ちたり、心肺機能が低下したりする
  • 本来は数年かけて少しずつ低下していくはずの筋力や心肺機能が、数日で数年分も変化してしまうことがある
  • 強い後遺症であれば、麻痺が残る、筋力が低下する、骨のもろさが表に出てくる、行動範囲が制限される

こうしたことは、私がトレーナーとして活動する中で、実際によく見てきたことでもあります。

これらは、予防に成功した結果ではありません。予防できなかった結果を、これ以上悪化させないように、抱えて生きている状態とも言えるのです。

予防かどうかを見極める問い

ここで、予防の定義をもう一度書き換えてみましょう。予防かどうかを見極める問いは、「いつ介入したか」ではありません。

「その介入で、不可逆的な変化をゼロにできたかどうか」

言い方が少し難しいですが、つまり、1次予防だけを唯一の「予防」だと捉える、ということです。

検診も治療も、大切にしてほしい

誤解のないようにお伝えします。命を守ること、進行を止めることは、かけがえのない大切な医療行為です。間違いなく、すごく大切なことです。

ただ、それを「予防」だと考えてしまうと、私たちは無意識に「何かあったら対処すればいい」「検診を受けていれば大丈夫」という錯覚を起こしてしまいます。

本当の意味での予防が世の中に広まるためにも、まずは1次予防、つまり

  • 生活習慣を見直すこと
  • ワクチンを打つこと

といったことを、頭に入れていただければと思います。

もちろん、検診はしっかり受けてください。治療もリハビリも大切にしてください。 そのうえで、それらが必要になる前に、毎日できる予防の取り組みを大切にしていただければと思います。

今日のまとめ

  • 予防とは、体に「不可逆的な変化(元に戻らない変化)」をできるだけ起こさないこと
  • 本当の意味での予防は、運動・生活習慣・ワクチンなどの「1次予防」だけ
  • 検診による早期発見・早期治療は2次予防、治療・リハビリ・再発予防は3次予防。どちらもすでに変化が起きた後の対応
  • 2次・3次予防の成果は目に見えやすいので、「予防」だと錯覚しやすい
  • 検診も治療もリハビリも大切。そのうえで、毎日の1次予防を大切にする

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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