こんにちは。
北千住のセミパーソナルスタジオSALUSの光次です。
これまで3回にわたって、椎間板ヘルニアの基本的な特徴、リスク要因、そして画像診断についてお話ししてきました。
シリーズ最終回となる今回は、「治療コンセプト」、つまり薬物療法・手術・保存療法(運動療法や牽引など)に対して、ガイドラインがどのような見解を示しているのかを見ていきたいと思います。
まず大前提として、椎間板ヘルニアの治療は、
手術を行わずに経過を見ていく「保存的治療」が原則とされています。
ただし、手術的治療が望ましい病態も存在すると、ガイドラインには明記されています。
保存的治療の効果が乏しい場合や、下肢の運動麻痺の進行が認められる場合には、
手術が選択されることが多くなります。具体的には、次のような症状が当てはまります。
- 両足に痛みが及んでいる
- 感覚の麻痺がある
- 足がうまく動かせない運動障害がある
- 排尿・排便がうまくできなくなる膀胱直腸障害がある
特に排尿障害については重要な指摘があります。
手術を行うとしても、発症からの経過時間が長くなるほど、
その後の改善率は低くなることが分かっているそうです。
そのため、こうした障害を感じたら、できるだけ早く手術を検討することが望ましいとされています。
一方で、下肢の筋力低下についてはやや事情が異なります。
神経が圧迫されることで力がうまく入らなくなる状態自体はあるものの、
この症状に対して「いつ手術をすべきか」という明確な基準は定められていません。
筋力低下があるからといって即座に手術が必要というわけではなく、
この点は医師としっかり相談しながら判断していくべき部分だと言えそうです。
ただし、早期の手術が筋力回復に良い結果をもたらす可能性がある、という指摘も同時にされています。
薬物治療については、現時点で明確な有効性は示されていないというのが実情のようです。
また、運動療法をはじめとする理学療法についても、十分な有効性が示されているとは言えず、治療効果は限定的だとされています。
ここは少し補足が必要な部分だと感じています。
運動療法は、薬物治療や手術と違って「誰が行っても同じ結果が出る」という性質のものではありません。
牽引のように機械で一定の動作を繰り返すものであれば結果は均一になりやすいのですが、
運動療法はトレーナーの技量によって内容も結果も大きく変わってきます。
この「再現性のなさ」こそが、医学的なエビデンスとして確立しにくい大きな理由だと考えられます。
とはいえ、体を動かすこと自体が良い影響を持つということは、
このガイドライン以外の研究でも広く示されています。
では、手術の効果はどの程度示されているのでしょうか。
術後少なくとも6ヶ月間については、
痛みの軽減や機能の改善において、保存的治療よりも優れているという見解が示されています。
ただし、ここには注意すべき点があります。
もし腰椎の過剰な可動性が原因でヘルニアが起きているのであれば、
手術で飛び出した部分を取り除いたとしても、
体の機能そのものが改善していなければ、再びヘルニアになってしまう可能性は残ります。
つまり6ヶ月間は効果があったとしても、
その後の人生を通じて手術の効果がずっと続くとは限らないということです。
さらに、この見解に対する医師の間での支持率は実は50%程度にとどまっており、
専門家の間でも手術に関する意見はかなり分かれているのが実情です。
ここからは私自身の補足になりますが、
運動療法にはもう一つ大切な役割があると考えています。
それは「再発予防」です。
手術をした後に再びヘルニアにならないよう体を再構築していくことも大切ですし、
一度なったヘルニアが自然に退縮していくことが分かっている以上、
そこから再びならないための体づくりも同じように重要です。
ガイドラインには直接書かれていない部分ですが、
しっかりと体を動かしていくことの意味は、ここにもあると私は感じています。
数回にわたって、ガイドラインをもとにヘルニアについてお話ししてきました。
「では具体的にどんな運動が予防に役立つのか」という点については、
この記事だけではお伝えしきれない部分も多くあります。
もし興味を持たれた方がいれば、
ぜひコメント欄で質問していただければ、お答えできる範囲でお答えしていきます。
また、SALUSのレッスンでは、
こうした予防的なトレーニングも実際に取り入れています。
ご興味があれば、ぜひ一度レッスンにも参加していただければと思います。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


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