こんにちは。
北千住のセミパーソナルスタジオSALUSの光次です。
これまで2回にわたって、椎間板ヘルニアの基本的な特徴とリスク要因についてお話ししてきました。
今日は「画像診断」について、そして次回のテーマである「手術」の入り口部分にも少し触れていきたいと思います。
今回も「腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン2021」をもとにお話しします。
ヘルニアが疑われる場合、画像診断としてはMRIとCTが代表的な方法として挙げられています。
特にMRIは、ヘルニアが疑われたときに最初に行われるべき検査とガイドラインにも明記されています。
ここで大切なポイントがあります。
それは「MRIの信頼性は必ずしも高くない」ということも、
同じガイドラインの中で指摘されているという点です。
その理由は、
腰痛のない、いわゆる健常な方の中にも、実は高い頻度で椎間板ヘルニアが存在していることが分かっているからです。
これを示した研究として有名なのが、
1995年に発表され、脊椎研究の分野で権威ある「ボルボ賞」を受賞した論文です。
この研究では、MRIなどの画像診断で背骨を調べたところ、
健常者(特に年配の方ほど顕著)の実に76%程度に、何らかのヘルニアの所見が見られたことが報告されています。
つまり、画像上にヘルニアが写っていることと、
今実際に起きている痛みとは、必ずしもイコールではないということが
の研究によって示されたわけです。
これはCTについても同様のことが言えます。
さらに、ハーバード大学から発表された論文では、
ヘルニアと診断されたケースのうち、実際にヘルニアそのものが原因で腰痛や神経症状が起きているものは、
わずか3%程度に過ぎないという報告もあります。
ここまでお話しすると、
裏を返せば、画像上でヘルニアの所見があったとしても、必ずしもヘルニアに対する処置をしなくても改善していく可能性は十分に残っている、ということが言えます。
「画像でヘルニアが見つかったから、もうどうしようもない」と思い込んでしまう必要は、
必ずしもないということですね。
ただし、これはあくまでも医師にしっかりと診断していただくことが大前提です。
この点は必ず守っていただきたいと思います。
こういう話をすると、「じゃあ画像診断なんて意味がない」という極端な結論に飛びつく方も出てきます。
実際、世の中には「ヘルニアはMRIを撮っても意味がないから画像なんて不要」と言うトレーナーや、中には「医者は信用できない」というような言い方をするトレーナーも存在します。
ただ、私はこの見解には賛成できません。
その理由は、
「画像診断によってレッドフラッグを見分けることが本当の狙いだから」です。
画像診断をする意味というのは、ここにあります。
腰痛というのは、単に筋肉や骨のずれやヘルニアだけではありません。
実はもっと重大な病気である「がん、大動脈解離、腎臓病など」が隠されている可能性があります。
このような、単なる腰痛とは比べ物にならないくらい緊急性を要する病気を診断するためには、画像検査を行うことはとても有効な手段です。
そして、大切なのはこのような「レッドフラッグではない」ということを知って『安心する』ためにこそ、
画像診断は必要なのです。
死に直結するような病気を見逃さないためにも、
そして、安心して腰痛改善に取り組むためにも、
画像診断は行うべきです。
ただ、一度そのようなものではないと分かったら、
あとは適切な運動やストレッチをしっかりと行っていきましょう。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


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