No.218 ピラティスという言葉に、惑わされない

こんにちは。
北千住のセミパーソナルスタジオSALUSの光次です。

「ピラティスって体にいいんでしょう?」

そう聞かれることがよくあります。

「最近流行ってるし」「なんか体に良さそうだから」——そんな理由でピラティスが気になっている方、実はとても多いです。

それ、決して悪いことではありません。ただ少しだけ、立ち止まって考えてみてほしいことがあります。

それは、「ピラティスをやること」自体がゴールになっていないか、ということです。

姿勢を良くしたいのか。
腰痛や肩こりを改善したいのか。
将来、寝たきりにならない体をつくりたいのか。

目的は人によって全く違うはずなのに、「ピラティスをやれば、なんとなく良くなる」というイメージだけで始めてしまうと、実はその方に合わないやり方を選んでしまうこともあります。

ピラティスは、あくまで数ある「手段」のひとつ。
大切なのは、その手段が”あなたの目的”に合っているかどうかです。

少し視点を変えて、「手段」というものについて考えてみましょう。

手段とは、いわば「道具」です。

たとえば、ハサミ。
ハサミそのものを、目的もなく使う人はいません。
「紙を切りたい」「布を裁ちたい」——何かを切りたいという目的が先にあって、はじめてハサミという手段が選ばれます。

もしあなたが「遠くにいる大切な人と話したい」と思っているとします。
そこに、どれだけ切れ味の鋭い、優れたハサミを渡されても——その目的は、決して叶いません。
ハサミがどんなに素晴らしい道具であっても、「切る」ためのものであって、「話す」ためのものではないからです。

必要なのは、電話やビデオ通話という、まったく別の手段です。

ピラティスも、これと同じです。とても優れた手段のひとつではありますが、それは「万能なハサミ」であって、「万能な道具」ではありません。

大切なのは、「ピラティスが良いか悪いか」ではなく、「あなたの目的に対して、ピラティスという手段が合っているかどうか」という視点です。

もう少しだけ、ハサミの例えを続けさせてください。

紙を切りたいのに、植木用の剪定バサミを使う人はいません。同じ「ハサミ」というくくりの中にも、紙切り用、布用、剪定用と、それぞれ得意な仕事が違うからです。

これは、ピラティスにおける「種目選び」にも、まったく同じことが言えます。

だからこそ本来ピラティスは、「その人の目的や体の状態に合わせて、種目を選び、組み立てていくもの」のはずです。

けれど最近増えているのが、モニターの映像を見ながら、決まった種目をこなしていく「マシンピラティス」です。

画面に映る動きに合わせて、みんなで同じ種目を行う——効率よく体を動かせるという良さがある一方で、そこには「あなたの目的に合わせて種目を選ぶ」という視点が、実は入りにくい仕組みになっています。

紙を切りたい人にも、布を切りたい人にも、同じハサミを渡しているようなものです。

流行っている場所に行くこと自体は、決して悪いことではありません。

話題のカフェに行ってみる。人気のテーマパークに足を運んでみる。流行りのエンタメを楽しんでみる。

もちろん全部OK。

でも、『体づくり』や、『生涯にわたる健康づくり』は、これとは根本的に性質が違います。

「流行っているから」という理由で場所を選ぶのではなく、「自分の体を、本当の意味で預けられる場所かどうか」で選ぶ必要があります。

エンタメは、流行りの場所へ。
体づくりは、信頼できる場所へ。

流行っているから。なんとなく体に良さそうだから。そういうきっかけで興味を持つこと自体は、何も悪いことではありません。

ただ、一度立ち止まって、こう考えてみてほしいのです。

「私は、何のために体を動かしたいんだろう?」

その答えが見えてきたとき、初めて「ピラティスが自分に合っているのか」「どんな環境で行うべきなのか」が見えてきます。

大切なのは、ピラティスをやることではありません。
あなたの目的を、本当に叶えられる場所へ行くこと。

それが、遠回りのようで、実は一番の近道です。

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